ダルな事象

「良い政治家とは、未来を予言することができ、また、あとでどうして物事が予言したように進まなかったかを説明できる人物である。
 ――ウインストン・チャーチル
 奥泉光の『モーダルな事象』を読んでいたところ、第二章の扉ページにこの言葉がエピグラフとして掲げられているのを目にしました。
 そこで、このサー・ウインストンの定義に従えば、以下のような記述が得られるものと思われます。

「他でもないこの俺、MMRのリーダーであるキバヤシこそ、日本で最も良い政治家の資質を持っている人間だったんだよ!!」
「な、なんだってー!!」

 なぜかというと、コイズミの場合はどうして物事(改革)が予言したように進まないかと訊かれても、抵抗勢力のせいだと馬鹿の一つ覚えを繰り返すか、空っとぼけて質問の内容には答えないかのどちらかですが、キバヤシならいくらでもトンデモな、それでいてなんとなく納得してしまいそうな理由をでっちあげることができるだろうからです。
 とはいえ、イラク攻撃の理由のひとつである、イラクに存在するとされた大量破壊兵器はなかったではないかと詰問されたときに、「フセイン大統領が見つかっていないから、イラクフセイン大統領は存在しなかったといえますか。大量破壊兵器も私はいずれ見つかると思います」*1と言ってのけたのは、キバヤシ顔負けの見事な詭弁でしたけどね。

*1:2003年6月11日の党首討論