米澤穂信『愚者のエンドロール』
- 作者: 米澤穂信,高野音彦,清水厚
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2002/07/31
- メディア: 文庫
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前作の『氷菓』を読んだときにも思ったのだけど、このシリーズは推理小説ではなくて(精神的な)冒険小説なんだなあ。
もちろん形式的には推理小説だし、作中には先行するミステリのネタがいくつも鏤められてもいる。でもこの小説で本当に重要なのは、目の前にある謎や問題を「解決する(solve)」ことではなくて、その裏に秘められたものを「見つける(discover)」ことなのだ。そこに辿り着くまでの紆余曲折を経た過程こそが、折木奉太郎ぐらいの年頃にとっては貴重な経験になるのだろう。
要するに、よくできた青春小説だということです。