夭折を屈折に溶接する

 前回のエントリで取りあげた村山槐多もそうだが、私は「夭折の〜」という存在に弱い。梶井基次郎ノヴァーリスの名前を聞いただけでクラッとくる。サン=ジュストの腕の中に抱かれて死ねるなら断頭台に送られてもいい*1。これは私の裡に秘められた、通俗ロマン主義的に屈折した心情の表れなのだろうか。
 言うまでもなく、エコール・ド・パリの日本人画家なら藤田嗣治より佐伯祐三のほうが好きだ*2。『のだめカンタービレ』のパリ編に出てくる画家の卵で、いい感じに屈折したムッシュー長田もきっと佐伯祐三が好きにちがいない。彼の描く壁の絵、なんとなく雰囲気が佐伯祐三の絵に似ているし。

*1:どういう状態だ、それ。

*2:とはいえ、藤田嗣治の展覧会には時間を見つけて行きたい。でもすごく混むんですよね、東京国立近代美術館の企画展は。