フードフォース(Food Force)体験記。

世界食糧計画(WFP)が緊急食糧援助活動を紹介するゲームを作製してインターネットで無料提供したところ、約2か月半で40か国以上の120万人以上がダウンロードする大ヒットとなっている。ゲームで広報を試みるのは国連機関として初めて。

 インド洋に浮かぶ架空の島国シェイラン。ゲーム「フードフォース」では、内戦と飢饉(ききん)に見舞われたこの島に派遣されたチームの一員として食糧を配布し、住民の生活再建を支援するのが目標だ。

 内容は6つの任務に分かれている。ヘリコプターで飢えた人々を捜す、より早くより安く食糧を調達する、輸送トラック部隊を安全に誘導する、などだ。

 このアイデアは元々、イタリア人広報部員パオラ・ビオッカさんが考えついたもの。彼女は99年、任務でコソボに向かう途中、飛行機事故で亡くなった。遺志を生かそうとWFPが約2年半、約30万ユーロ(約4000万円)をかけて開発した。

 対象年齢は8〜13歳。英語版だけだが、日本からのダウンロード数は全体の約20%を占め、米国からの約21%に次いで多い。日本語版も年内に出る見込みだ。専用サイトは、http://www.food-force.com/(国際部 太田誠)
(2005年7月14日 読売新聞)http://www.yomiuri.co.jp/net/news/20050714nt06.htm

 
 私は木曜日の読売新聞の記事でその存在を知ったのですが、この「フードフォース」は世界食糧計画(WFP)が食料援助活動を紹介するために作成したゲームです。無料でダウンロードできるということなので、さっそく試してみました。ゲーム自体は簡単なのですが、国連の食料援助活動の一端がうかがえて興味深かったです。
 陸路をとることが困難な地域に飛行機から食料を投下するミッションがあるのですが、風向きに注意しないととんでもないところに飛んでいってかえって人や建物にあたってしまいそうになるところはヒヤヒヤしました。現場のスタッフはものすごい緊張感をもって仕事をしているのだろうなあ。一歩間違えば爆撃になってしまうのですから。
 最後のミッションは食料援助の集大成、現地の人々が崩壊したコミュニティを建て直し、自力で食料をまかなえるようになるまでをサポートするのですが、その期間はなんと十年。一度荒れ果ててしまった人々の暮らしを再建するには大変な労力と時間、そしてお金がかかるということでしょう。
 上の記事には子供向けの対象年齢が記載されていますが、大人がやってもじゅうぶん面白いと思います。ただ問題なのは、このゲーム今のところ英語版しかないことと、容量が約220メガバイトあるのでブロードバンド環境の人でないとダウンロードが難しいことでしょうか。特に英語の説明が聞き取れなくても操作は簡単なのでプレイに支障はないと思いますが、これはゲームもさることながら各ミッション前後のブリーフィングや活動の説明が重要なので、英語に自信のない方は年内に出る日本語版を待たれたほうがよいでしょう。